法人成りのお祝いをいただいた場合のお返しマナー

法人成りが決まり、取引先などからお祝いをいただいたらお返しは必須ですが、いざとなると何を選んで良いか分らずお悩みではありませんか?

法人成りをすると取引先やお世話になった方々から、お祝いを受け取ることがありますが、もらって終わり、お返しして終わりではないのです。

「これからもよろしくお願いいたします」という未来につながる思いを込めて選ぶことはもちろん、相手に失礼のないように選ぶことが大切です。

法人成りのお祝いのお返しには2種類あります

法人成りのお祝いのお返しには以下の2種類があります。

 

  • パーティーやお披露目会での「おもてなし」でお返しする
  • 品物でお返しする(現金はNGです)

 

お返しする時期としては、開業から1~2週間以内にお返しするのが一般的です。

それぞれについて見て行きましょう。

「おもてなし」でお返しする場合

飲食店などのオープニングパーティーや事務所設立のお披露目会などを開いて、おもてなしすることでお返しする方法です。お店や事務所を紹介しながら、飲食の席を設けて感謝の気持ちを伝えるのです。

取引先やお世話になった方を始め、招待状をつくる時点でお祝いをもらっていなくても、招待すべきだと感じる方々に招待状を送ります。このようなイベントという形でお返しする場合、基本的にはおもてなしだけでOKです。

おもてなしだけでなく、品物を渡したいと考える場合は1,000~3,000円程度の「引き出物」を用意しましょう。手土産としてイベント当日に渡すようにしてください。

業種によっては、サービス券や割引券が喜ばれる場合もあります。

高額のお祝いにはどう対応するか

高額のお祝いをいただいている方にはおもてなしのみのお返しにこだわらず、品物のお返しも用意します。その場合『半返し』にはこだわらず、1/3~1/5程度のお返しの品物を選ぶと良いでしょう。

お祝いをいただいたけれどパーティーやお披露目会に出席できなかった方にもお祝い返しの品物をお返します。その際、品物だけを発送するのではなく、必ず『お礼状やカード』を添えるのを忘れないようにしてください。

品物のみでお返しする場合

法人成りのお祝いをいただいたら、品物で感謝の気持ちを伝えるのも良い方法です。なかなかスケジュールが合わず、多くの人が集まるイベントやパーティーを開催しにくいケースも多いからです。

その場合には、いただいた金額の3~5割程度の価格の商品を選びましょう。主に以下のような品物が多く選ばれていますので、参考にしてみてください。

 

品物のお返しカタログギフト

商品券

タオル・石鹸・洗剤のセットなどの日用品

コーヒー・サラダオイルなどの消耗品

業種に合った実用的な記念品

 

これらの品物のみでお返しする場合にも、必ずお礼状やカードなどを添えて送りましょう。

ただし、これらは法人成りのお祝いをくれた全ての人にあてはまる品物とは限りません。

次に法人成りのお祝いのお返しにふさわしくない、NGな品物を紹介します。

法人成りのお祝いのお返しにNGな品物はあるのか

法人成りのお祝いを選ぶ場合、以下の商品は避けてください。

  • ハンカチ
  • お茶

それぞれについて送らないほうが良い理由を見て行きましょう。

なお、これらに限らず『いただいた金額以上の品物をお返しするのは失礼にあたる』ので注意が必要です。

ハンカチ

ハンカチは漢字で表すと『手巾(しゅきん)』。

手を拭く布、「てきれ」とも読めるため、「別れ・手切れ」の意味を持つ品物です。特に真っ白なハンカチは、死んだ人の顔にかける布をイメージさせるもので縁起が良くないと言われています。

そのため、今後のお付き合いを拒否する印象を与えるかもしれません。

これから前向きに努力して会社を発展させ、良いご縁をずっとつなげていこうとする前向きな法人成りのお返しにふさわしくないのです。

お茶(緑茶)

お茶は葬儀や法事などの「弔事のお返し」として多く使われています。その理由はお茶が古くから境界を区切ることの象徴とされてきたからです。

人がこの世からあの世に旅立ち境界を超える、つまり故人とのお別れを意味します。お祝い返しの品にはふさわしくない品物だととらえる人も多いので、お茶は避けるようにしてください。

目上の方に送ってはいけないお返しの品物もあります

さらに、目上の方に送るのがNGな品物があります。カバン・腕時計・万年筆などです。

これらは入学祝や就職祝などで目下の人に送られることが多く、「勤勉に頑張りなさい」という意味を持ちます。

また、履物・マット・靴下なども「踏みつけにする」という意味になりますので、とくに目上や地位が上の方に送るのは失礼に当たるので避けたい品物です。

くれぐれも相手を見下した意味をもつ品物を送ってしまわないようにしましょう。

※ご本人からリクエストがあった場合は除きます。

法人成りのお祝いのお返しは送る相手によって気配り目配りを

法人成りの一般的なお祝い返しの例やNGな品物について挙げてきましたが、送る相手によって、選ぶ品物には注意しなければならない点もあります。

身内であれば美味しいお菓子の詰め合わせや、生活で役立つタオルセットなどがおすすめです。友人関係なら、相手が喜びそうな実用的な記念品でも良いでしょう。

しかし、取引先へのお祝い返しはビジネスの将来がかかって来ますので、「みんな同じ消耗品で良いだろう」という考え方ではマイナスになる可能性があります。

嗜好品やお菓子などは送る相手の好みやアレルギーなどを把握しておき、気持ち良く受け取ってもらえる品物を選びましょう。

法人成りのお返しに迷い過ぎた場合はカタログギフトもおすすめ

何にしてよいかまったく思いつかず、選ぶ時間も足りないときや思いがけず高額なお祝いをいただいた場合などは、相手が欲しいものを選べる「カタログギフト」や「商品券」などが喜ばれます。

カタログギフトなら値段に応じたランクに分かれており、目に見える形の品物だけでなくレストランでの食事、エステや旅行などの体験型まで、幅広いジャンルから選べます。

カタログは手元に冊子が送られるものと、ウェブ上で見られるデジタルカタログがありますので、送る相手に応じて申し込みやすいタイプを選んでください。

連名でいただいたお祝いには金額に応じて対応を考えましょう

法人成りのお祝いは、必ずしも1人ずつからもらうとは限りません。連名でいただいたお祝いへのお返しは、以下のように対応しましょう。

受け取った金額を人数で割り、1人1人個別に半額相当の品物にするお祝い金が少額または〇〇一同の場合は、全員で分けられるものを送る

小分け・個包装になっていて、日持ちするお菓子などがおすすめですが、全員に行き渡る数が入っているかどうかをきちんとチェックすることが大切です。

まとめ

取引先やお世話になった方々から法人成りのお祝いをいただいたら、感謝の気持ちを込めたお返しをしましょう。

お返しの時期やマナーなどを確認するだけでなく、お世話になった方々へのお礼の気持ちを言葉やお礼状で伝えるのを忘れないことが大切です。